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多くの患者さんが抜けることが出来ない持続的慢性的に生じる腰の痛みとはどのようなものなのでしょうか?

一般的な慢性痛の原因は何らかの病的組織に張り巡らされている痛覚受容器(痛みを感じ取る神経)から中枢に伝えられ 、動作で悪化し安静で緩和するのは、私たちに病的組織の存在を知らせてくれるわけで、それを治癒する事で症状は治まりますが、治癒期間を超えても治まらないものが本症であります。
また、慢性疲労症候群の一つとも考えられています。

もし腰痛発症から1ヶ月程度経過しても良くならないなら、慢性化を考慮する必要があります。

脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア・腫瘍など明らかな原因がある場合や、腎臓や内臓など内科的な要因が関与しているものと、原因が不明なものとがあります。

多は原因不明であり、一般的に12週間以上続くものがこの範疇となります。

主な要因は、末梢組織や神経の異常、中枢神経の障害による異常やストレスなどの負荷なども考えられているようですが、その明確なメカニズムは現在でも不明であります。

一般的に急性症から慢性症へと移行するパターンが大半であると考えられ、患者さんは、自分に起きている症状を理解してくれない事や、治療による改善が思うように見られない場合、多くの医療機関を次々と受診したり鍼灸や整体/カイロ・など民間療法を渡り歩いたりします。

しかし、どのような加療や予防策を施しても思うように痛みが改善されない場合には、医療行為や施術に対し不信感を募らせることで、症状が悪化していく事もあります。

そのため薬の過剰投与や、根拠が希薄な手術により改善するどころか悪化した場合においては、さらに事態は深刻になっていきます。

そうする事で更に薬剤の量も増え、社会的な活動の制限を余儀なくされたり、家庭的な不和や経済的困窮など問題が噴出してくることになります。

そうなると患者さんは追い詰められ心理的不安は高まり、抑うつ状態や薬物依存、不眠、自身の喪失感など、悪循環の連鎖から脱出する事がより困難になるために、持続的な痛みは極めて難治性であると考えられています。

コラム:何れ再発する可能性があると考えられる骨盤の歪み変位パターンについて

現代医学では、慢性化した痛みに対し未解明な点も多々あるのですが、実際には骨盤の歪みから仙腸関節機能の異常が固定化してしまい自然治癒が見込めない状態になって再発を繰り返していると考えられますので、歪みで起こる変位状態を正確に把握し、それに応じた適切な矯正が必要となります。

急性から慢性へと移行する患者さんは、ぎっくり腰の再発パターンと病態 で記載したように日常生活での好くない習慣が一因となっていることもありますので、姿勢を正したり、運動療法などの予防法を取り入れましょう。

持続性のある痛みに対し現在行われている徒手療法では、再発するぎっくり腰への骨盤矯正を検証 で記載したように、手技による方法や骨盤矯正の正確性、診断技術が曖昧であるため一時的に改善されても痛みが再発する確立が高いと言えます。

慢性化するかどうかは、正常な仙腸関節滑走を取り戻しているか?いないかがカギになりますので、もし取り戻していないなら、いつまでも再発を繰り返してしまいます。

筆者の臨床経験から言えることは、もし、正常に戻ったとしても、その後はあぐらをかいたり、お尻を床につけて足を真っ直ぐ伸ばす姿勢を長時間すると、容易に歪みが起こりやすく、関節の閉鎖力不足から痛みが再発しますので十分な指導や養生が必要です。

朝方痛く、昼ごろには少しよくなり、翌日の朝には調子が悪い症状を繰り返す方では、変形性腰椎症 に記載しているように、変側寛骨前方変位が多いと考えられます。

まず、片側が前方に並進していることを見極める必要が大切で、歪み固定化している例では、一般的に施されているスラスト手技では、 一時的に仙腸関節が動いたように見えても動く事は殆んどないと言えます。

仙骨側からのソフトな手技では、それなりの回数の矯正が必要であると考えられます。

外傷がもとで慢性へと移行する方は大変多く、外傷性腰痛(交通事故・転倒・尻もちなど) で記載したように、骨盤帯に特徴的な後方回旋変位が見られることもあります。

強い外力が臀部に働いている外傷では、当初から歪みが酷く自然治癒する確立が殆んどないため、いずれ痛みが慢性化し持病のようになりやすいので早期の矯正が大切です。

外傷による変位が僅かで、尚且つ脊柱・股関節・膝関節・腰臀筋の代償運動が上手く働き、身体に負担のない生活をしていれば痛みは全くおきないかもしれませんが、多くの場合、大なり小なり慢性傾向を示しやすく注意が必要です。

痛み方や程度については、感受性の違いや上記のような生活パターンにより個人差が出てきます。

その他の類型では仙腸関節閉鎖力不全が長期化したことによるものがあげられます。

仙腸関節の閉鎖力不全が引き金になることはよくあるために不良姿勢を避け、しっかり両足に荷重かかけて歩行することで予防できます。

仙腸関節癒合不全によるものでは、仙腸関節炎で記載したように下方変位による難治性を示すこともありますので、不用意に民間療法による矯正や徒手療法を受ける事は禁物です。

もし、再発を繰り返すようなら医師らが施すAKA療法や、骨盤矯正専門にしている整体師やカイロプラクターにご相談しましょう。

保存療法や手技療法・鍼灸などに対する有効性について

通常、慢性的な腰痛には保存療法であるモビライゼーションや体操・マニピュレーションなど手技療法や筋力強化運動と薬物療法が行われています。

運動療法については時に有効であるが運動種類別の差はなく手技療法は短期的に有効であると考えられています。

牽引療法は無効と考えられ、装具療法は自覚症状の軽減にはある程度有効な可能性があり、低周波など電気刺激と鍼灸治療については有効性の判定が出来ていません。

持続性のある痛みに鍼灸は効果的なのですが、検証する方法が曖昧であるために判定は出来ないと考えられます。

低周波は最も有用される方法の一つで、即効的効果が高く運動療法との併用で血流改善が達成でき痛みが緩和するのではないかと考えられています。

温熱療法についても一時的には有効であるが、短期効果に留まり、安静についても活動している場合と比較して殆んど差異は生じない。
例えば、ホットパックなど温めてしばらくは血管が拡張されることによる代謝促進効果と痛みを起す物質の除去を しますが、これも一時的であります。

マッサージについても根拠は乏しいと考えられています。

脊柱マニピュレーションにおいては、他の治療と比した場合に、どれよりも効果的であるとされますが、慢性疲労的な痛みについては言及されていません。

消炎鎮痛剤についても根本的に治す方法ではないために、どのような保存療法が最適なのかは個人差があると しか言えないのが現実です。

その他では、寒冷療法、マイクロ波などの光線療法など様々な療法が、痛み緩和の目的で多くの患者さんに施されていますが、 その治療効果については一時的もしくは、短期効果しかないと考えられます。