TOPページ主な原因疾患 > 外傷性腰痛

何らかの傷害により腰痛を起す頻度が高いのが交通事故によるもので、自動車との接触やバイクとの接触、或いはバイクや自転車で走行中に転倒などがあげられます。

その次に多いのが尻もち事故です。

階段・段差や歩行中、雨や雪の日にスリップして腰臀部などを強打することです。

但し、転倒による尻餅でも、少し打った程度で骨盤の捻れは起こらないと考えられ、筆者の臨床例では、一時的に動けない事やうずくまってしまう程、お尻を打ちつけた場合に痛みを生じると考えられます。

その他、以外に多いのが高所からの転落事故によるものがあります。

外傷後の影響から骨盤帯がアンバランスとなることに起因しています。

外傷による歪み

上述のように交通事故や転倒・尻餅など外傷により腰部~臀部を強打することで、骨盤バランスが崩れ腰痛を引き起こしていると考えられます。

尻餅事故では、お尻ににある坐骨結節付近より衝撃が入りますので、典型的な変位を示す事があり、触診からでも比較的容易に判定が可能な例もマレにあります。
また、ご本人もお尻から落ちたことをハッキリと記憶している事が多いと言えます。

自動車との接触やバイクで転倒の際は、お尻の左右どちらかの方向から強打している例が多いのですが、この場合、 ご本人は事故の記憶はあっても、どの方向から強打したのかよく覚えていない事が殆んどです。

事故やバイクで転倒の際は尻餅よりはるかに大きなインパクトが腰臀部に入っていると考えられますので、典型的な骨盤の歪みを示すこともあれば、全くそうでない場合もよくあります。

何らかの傷害で起こる問題点は、事故を起したその当時から数週間痛みで動作もままならないのですが、急性の症状が治まって、数ヶ月から数年して臀部痛や重量感を生じてくるパターンが非常に多いと言えます。

特に数十年も経過している例では、臀部痛、下肢のシビレ・股関節や膝関節の痛みなども併発 している事が多く、症状の出かたは、個人差が多様であります。
また、ある程度年数が経過しているでは、現在の痛みと過去の事故とは関係がないと思われている患者さんが非常に多いのですが、密接な関係がありますので、特に一瞬でもうずくまる程、お尻を強打した経験がある場合はねじれが生じ解消できていない可能性が高いと言えます。

上述のように通常では、おこり得ないインパクトが臀部に入力されますので、変位状態も複雑になってきます。

打ちどころによっては、左右とも事故の当初から捻れが生じていることもあります。

しかし、通常は片側に大きなひずみが生じ、その状態で数年も経過すると、良好なもう片側もバランスを喪失します。

筆者の経験からしても、事故から数年・数十年経過した例では、間違いなく左右を矯正する必要があります。

仙腸関節のバランスの喪失が大きい際には、非常に複雑な変位を示しているために、それを矯正するには、しっかりとねじれ状態を把握する必要があります。

通常では考えられないような歪み方をしている例も多々あるため股関節・膝関節・脊柱などによる代償運動も見極めなければなりません。

つまり、ある程度の熟練者や仙腸関節機能に精通している術者でない限り回復させる事は極めて困難でります。

外力以外で考えられる原因

外力以外で、同様の歪みが生じる原因として考えられるのは三つです

  • 身体が華奢で冷え性などがある
  • 片側の歪みの長期化で本来正常であった側の仙張関節の締める力がなくなる
  • 骨盤帯の負荷がかかるスポーツなどの長期化

身体的に華奢な方な骨盤帯をサポートする筋力自体が弱い場合は、特に大きな外力が入らなくても生じる場合があります。

意外に多いのが片側骨盤のネジレが長期化すると、重心を正常な側に移すことでバランスをとり、歪みのある関節の動きの低下を補うようなバランスのとり方を自然しています。

それが長期に渡ると、正常な側も歪みが生じ固定力が低下して、外力が入った場合と同じような歪みを起こすことがままあります。

この場合、最初に機能低下がある骨盤側に症状はほとんどなく、重心を移した側だけに後天的に痛みや違和感が生じることもあれば、両方とも痛みがある場合や、最初に機能低下がある骨盤側を中心に痛みが出る場合いなど様々です。

また、痛み違和感のある場所や、その痛み方など千差万別であると言えます。

その他、ゴルフなど骨盤帯への負荷がかかるスポーツで起こることもあります。

コラム:保存療法や徒手による矯正法とその後の予防策について

通常、保険の効く整形外科の投薬・シップにリハビリ訓練や近隣の整骨院でマッサージを施してもらい何とか痛み抑えています。

しかし、投薬やシップにリハビリなど保存療法を続けても経過が思わしくないため初めて民間療法でいい方法がないか探すことになります。

筆者の過去の臨床経験でも、外傷後に骨盤変位を生じ慢性化している方が多いのですが 一般的な病院や整骨院における投薬やリハビリでは根治は難しく、よほどの軽症でなければ、自然に正常になることは殆んど考えられないため 固定化を招きやすいと考えられます。

傷害を起してからの期間が長ければ長いほど、捻れが固定化しやすく、その状態を把握するのが容易ではないばかりか、手技においても一度で正常な状態に戻せないため数回に分けて行う必要に迫られる例も多々あります。

この強固なロッキングを解除するにおいて、仙骨側からのモビライゼーション系(ソフト)の手法では、一時的な効果しかないか、逆に悪化していく場合もあるため(筆者経験上)、スラスト (一瞬力を入れる)手技が必要になります。

スラストにおいて、ズレと反対側に圧を力いっぱい瞬時にかければいいのかと言えばそうではありません。

もし、ズレと反対側に戻すなら、事故や転倒・尻餅で受けた衝撃と同じ衝撃を入れなければ捻れが戻る可能性が低いことになってしまいます。

術者がネジレと反対側に矯正を行うにしても、それが実際反対側なのかどうか?あくまで見た目であるため、変パターンによっては、外観上同じようにみえても全く違う手法が必要です。

外傷後の腰痛は骨盤帯の見た目だけの変位に惑わされなく正確に行うことにより達成されます。

手技による矯正が正確に達せいれたとしても、ねじれが長期化している場合には、その後の対策がさらに重要になってきます。

ある一定期間の養生がないと一時的に仙腸関節の運動が正常に戻っても、容易に捻れ方向に寛骨もしくは仙骨が引き戻されるため再発しやすく、せっかくの手技も徒労に終わる可能性が非常に高いと言えます。

再発予防においては腰臀部にネジレや捻りが加わる動作を避ける事と、しっかり仙腸関節を締める骨盤ベルトの着用による対策が必要です。

養生する期間は三つが重要です。

  • 骨盤変位の程度
  • 事故を起してからの期間
  • 年齢

この三つにを総合的に加味して養生期間を設定することが必要です。
通常は3ヶ月から半年間位が目安と言えます。

若年時にネジレが生じている例では、前屈・後屈(体を前に倒す、後ろに反らす)ような動作 でも、骨盤全体が右周りあるいは左周りすることが多く、1年以上の養生が必要と思われる例もあります。