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背骨のショックアブソーバーとしての役目

椎間板は椎体と椎体の間にあって衝撃を緩衝するクッションの役目を果たしていると考えられています。

脊柱の骨は上下の関節で連結され、複数の靱帯や筋肉によって背骨を支えています。

背骨の前方には、ちょうど円柱形をした「椎体」と呼ばれる骨があり、この骨と骨の間にあります。

そして椎体と違い、とても弾力性に富んでいますので、体を曲げたり反らしたりすると、応力が働いた側では圧縮され、その反対側では伸ばされるように外圧をうまく緩衝しています。

椎間板の構造

どのような機能をしてるか?

腰の痛みを引き起こす原因ともなり、脊柱(背中の骨)の20~30%を占めるほどウエイトがあります。

椎体と椎体の間に挟まり、接する部分を「終板」と呼び、多くの関節と同様に「硝子軟骨」 で覆われ境を形成しています。

椎間板は、厚い弾力性のあるゴムに類似し、その中に多くの水分を含んだ物質が詰っています。

この物質は、上から常に圧力が掛かっていますので、すこし押し潰されたように横に広がった状態になっています。

体幹の動作により上から圧力が掛かると、それに応じて膨らみを増しますが、膨らみすぎて壊れてしまうような事はなく、例え数十キロの圧力が掛かっても、実際に膨らむのは数mmにしか過ぎないと考えられています。

この物質は、線維輪と呼ばれるコラーゲン線維が輪上に幾十も重なりあって外壁を作っています。

この内側、中身に相当するのが髄核と呼ばれ、ほぼ中央に位置しています。

髄核の中にはプロテガングリオンと呼ばれる水分を多量に含んだ物質が存在します。

その水分量は、70~90%近くになるとも言はれ、スポンジのように優れた緩衝機能を発揮することにあります。

運動により酸素や血液が滋養しています。

栄養は上下で椎体と接している終板や周りを囲む毛細血管から、髄核内へと広がって栄養や酸素の供給と、不要になった老廃物の排出を行っています。

実際に椎間板内へは毛細血管は行き届いていないために、普通なら栄養や酸素供給などの新陳代謝はできないと考えられますが、これは椎間板にかかる圧力により、うまく内部へ血液を循環させることを可能としています。

圧力は、私たちが立ったり座ったり、走ったり飛び跳ねたりの動作によって、髄核にかかる圧力が増えたり減ったりすることで、不要な老廃物を運び出しています。

排出は、髄核と外側との浸透圧が等しくなるまで続き、圧迫する力がなくなると、血液が浸透してくるような仕組みになっています。

耐久力について

一説によると40歳以下の若い世代では上から700㎏位の圧力に耐えれるとされています。

私たちが立っている状態でも100kg近い圧力が椎間板周囲かかっていると考えられていますので、動作時には、さらに圧力は高まり、それを緩衝するために中身である髄核は膨らみます。
それを覆っているコラーゲンの線維輪は拮抗作用で、その膨らみを食い止めています。

かなりの圧が生じても線維輪は壊れてしまうことはなく、その前に椎間板と椎体の接触面である終板の中央部分が壊れてしまうと考えられています。

通常の生活において最も大きい圧は上からで、その次に横からの圧が考えられます。

この横からかかる圧を加えた場合は線維輪には相当な負荷がかかるために、横からの力には弱く、上からの圧と引き伸ばす力には強いと考えられています。

引き伸ばす力は、日常生活では殆んど経験することはなく、しいて言えば、何かものにぶらさがった時に 張力が働きますが、周りにある靱帯や筋肉がこれを緩衝することになります。

但し物理的な張力(腰の牽引)が長期に渡り断続的に生じた場合はどうなのか?は不明です。

このように頑丈に作られているために、単に圧力が増した程度ではヘルニアは起こらないことを示唆しています。

線維輪はひねりやねじれに弱い?

線維輪は、骨盤同様にひねりやネジレには弱いのではないかと考えられています。

しかし、どの程度弱いのかは、線維輪の状態や年齢など個人差が大きく関係しています。
また、日常生活では腰をひねる動作を常に行われていますので、単にひねりやネジレに弱いとは考えにく く、何らかの原因で変性が生じたか、或いは加齢により弾力性を失うことで柔軟性が低下したことによるものが大きいと言えます。

お辞儀したり反らしたりする動作よりも、横にねじったりひねったりするほうが抵抗を感じる事は、よほど体が硬い人でない限りだれもが経験しています。

幾十にも束になった線維輪の一部の階層がひび割れすると、その分、他の階層にかかる圧は増してきます。

これは過去の実験例でも、変性のあるでは、ねじれ応力に対して14.3度位までしか抵抗出来ないと され、変性が生じていた場合は、線維輪は容易に破壊されやすいと言えます。

加齢による退行変性

圧力がかかると横に広がり、その圧が摂り省かれれば元の状態の戻るわけですが、 加齢とともに、その柔軟性を失っていくと元に戻る事ができなくなるか、戻る場合でも健康的な人より時間を要します。

朝起きた時の身長と、歩いたり運動した後の身長は、1cm程度低くなっていると言はれるように、椎間板への圧により、身長差が生じる事は共通していますが、問題となるのはその回復力になります。

若い人では骨の連結も柔軟性があるので回復力は早く、これに対して高齢者では、加齢に伴う柔軟性の低下から、ひずみが元に戻るまで時間がかかると言うことです。

年齢とヘルニアの関係

これまでの説明からすると、高齢者で腰に負担がかかる仕事に従事しているほうが、椎間板ヘルニアを起しやすいと考えられ、実際これまではそれが通説でした。

しかし、ヘルニアは若い世代に多く発症し、ヘルニアにより腰痛を引き起こすのは、ほんの数% ではないかと現在では考えられるようになってきています。

例え加齢や変性により椎間板が膨らんでも、それが原因で腰痛を起す事は殆んどないため他の原因が考えられます。